中絶薬にも配偶者同意の壁? 「女性自身が選択」議論進むか
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厚生労働省が国内初の「経口中絶薬」の承認に向けて動き出す中、母体保護法に基づく人工妊娠中絶の「配偶者同意」について、見直しを求める声が上がる。この規定が適用されれば、女性の意思だけでは中絶できず、アクセスを阻む要因にもなるからだ。中絶薬の導入を契機に議論は進むのか。【宇多川はるか】
「中絶はヘルスケアの一部」
「本人以外の『第三者の同意』が要求される状況を改善してほしい」
今年2月、厚労省に対して約6万8000筆のオンライン署名と共に出された要望書。経口中絶薬の承認への願いと併せて、そう記された。提出したのは、安全な中絶や流産の実現を目指す産婦人科医らの有志団体「Safe Abortion Japan Project」。代表の遠見才希子(えんみ・さきこ)医師は、要望書提出後の記者会見でこのように強調した。
「中絶は女性のヘルスケアの一部だと、国際機関でも提唱されています。産む選択も産まない選択も、女性自身が安全な選択肢から自己決定できて、ケアを受けられる状況に変えていかないといけない」
承認されれば、国内初の経口中絶薬となる「メフィーゴパック」は、英国の製薬会社ラインファーマが2021年12月、厚労省に申請した。
厚労省の専門部会は今年1月、製造販売の承認を了承。一般からの意見公募(パブリックコメント)を2月末に締め切り、厚労省が近く最終判断する。外科手術だけだった日本の初期中絶の新たな選択肢となり、期待は大きい。
だが、遠見医師らは会見で、現行の母体保護法の枠組みが残ったままでは、中絶薬にも「配偶者同意」が原則で、必要な女性が入手しにくくなると訴えた。
法の枠組みは戦後すぐ
そもそも「配偶者同意」とは、何に基づくのか。…
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