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/28 サンライズ出版(彦根市) 郷土図書、編み続けて /滋賀

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滋賀の文化を全国に発信する図書出版の功績に対し、1997年「ブルーレーク賞」、2016年「滋賀県文化功労賞」を受賞した岩根社長
滋賀の文化を全国に発信する図書出版の功績に対し、1997年「ブルーレーク賞」、2016年「滋賀県文化功労賞」を受賞した岩根社長

 かつて中山道鳥居本宿では、街道を行き交う人々の間で近江の文化や歴史が語られていただろう。そんなことを彷彿(ほうふつ)とさせる古い町並みの一角に、滋賀の伝統を発信しているサンライズ出版があります。県内中学の社会科の副読本としてなじみ深い「12歳から学ぶ滋賀県の歴史」は同社の代表的な書籍です。

 1930年、初代の岩根豊秀さんは小さなアトリエで謄写印刷によるチラシやポスターの制作から創業しました。地域の文化事業にも深く関わり信頼を得る中で、新しいタイプオフセット印刷への切り替えが「出版」への転機となります。自費出版、官公庁や学校からの指名受注、現在も続くロングセラーである県内の文化情報誌「DUET」の企画出版と実績を重ね、93年に本格的な出版事業に参入しました。

 近江の自然・歴史・文化全般に通じた一般教養書といわれる「淡海文庫」シリーズは、安曇川町(現高島市)在住だった民俗学者、橋本鉄男さんの提唱で各分野の研究者の協力とファンである会員の後押しを受け、70巻になる他県にも誇れる大作です。「滋賀はどの時代をとっても話せる歴史の宝庫。近くに潜んでいるのにまだ伝えられていないテーマはたくさんある」と2代目で娘の岩根順子代表取締役は100巻を目指します。「ふなず…

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