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「侵攻」が変えた世界

ロシアのウクライナ侵攻開始からまもなく1年。侵攻によって大きく変容した世界各地の状況を探ります。

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「侵攻」が変えた世界

LNG争奪戦、渦中の日本 オマーンと長期契約、政府奔走

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水素やアンモニア分野に関する協力覚書に調印し、握手を交わす西村康稔経済産業相(左)とオマーンのウーフィー・エネルギー鉱物資源相=経産省提供
水素やアンモニア分野に関する協力覚書に調印し、握手を交わす西村康稔経済産業相(左)とオマーンのウーフィー・エネルギー鉱物資源相=経産省提供

 世界最大の天然ガス輸出国ロシアによるウクライナ侵攻は、欧州発の液化天然ガス(LNG)争奪戦を招き、日本のLNG調達も困難を極めた。火力発電や都市ガスに使われるLNGのほぼ全量を海外に依存する日本はエネルギー安定供給に向けて官民挙げての対応を迫られている。

欧州暖冬で乗り切れたが…、来冬は予断許さず

 2022年9月7日夜。西村康稔経済産業相は東京都内のレストランで、ある資源外交に臨んでいた。交渉相手は、中東オマーンのウーフィー・エネルギー鉱物資源相。初対面だった。

 「長期的には脱炭素は必要だが、中期的にはLNGが重要だ」。西村氏は、日本として可能な限り多くのLNGをオマーンから調達したい意向を強くにじませた。

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