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キリスト教系新宗教「エホバの証人」の元2世信者でつくる「JW児童虐待被害アーカイブ」の有志が14日、現役信者と元信者225人を対象にした「むち打ち」と称する体罰に関するインターネットアンケート調査の結果を公表した。体罰を受けた7割以上が就学前から被害に遭い、半数以上に精神的な後遺症があるという。有志らは厚生労働省に報告書を手渡し、その後に開いた記者会見で「組織的な児童虐待の実態を記録したい。教団には反省してほしい」と訴えた。
アンケートは2021年9月に実施し、39都道府県の10~60代男女から回答があった。むち打ちを受けたと明かした217人のうち162人は「就学前から」と答え、大半が母親から受けたとした。劣等感や親への憎悪といった精神的な傷のほか、身体的な後遺症が残ったという記述もあった。「自ら子供をたたいた」との回答も8人からあった。
アーカイブ代表の綿和孝さん(44)=仮名=によると、「中学生までたたかれた」とする10代の回答もあり、「少なくとも2010年前後までは体罰はあった」という。実名を明かして会見した奥田咲里栄さん(32)は「自分も幼い頃からむち打ちを受け、おかしいと思ってきた。今回の調査が、虐待から子どもたちを守るきっかけになれば」と語った。
エホバの証人日本支部は取材に「(教団は)児童虐待を容認していない」と回答した。【春増翔太】
厚労省が実態調査へ
厚生労働省は宗教に関する児童虐待の対応指針で、むちでたたくなどの暴行は身体的虐待に当たるなどとしており、キリスト教系新宗教「エホバの証人」からヒアリングするなどして実態を調べる。
対応指針ではこのほか、輸血など必要な医療行為を受けさせないことはネグレクト(育児放棄)、破門された子を継続的に無視する行為は心理的虐待やネグレクトに当たるとしている。厚労省は、元2世信者有志らの訴えを受けて法人へのヒアリングなどを進めるが、ヒアリングに法的根拠はなく、任意の要請にとどまる。
厚労省は4月以降、「エホバの証人」だけでなく他の宗教法人についても宗教2世ら関係者の調査を始める。また、児童相談所に対し、保護者の反対で必要な医療行為が受けられない場合、親権停止などの措置をとれることを示した2012年の通知を再送する方針だ。【奥山はるな】
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