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トランスジェンダー巡り広がるデマ 当事者が冷静な議論を呼びかけ

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記者会見でボードを掲げるトランスジェンダー当事者の(左から)野宮亜紀さん、時枝穂さん、杉山文野さん=東京都千代田区で2023年3月16日午後2時2分、手塚耕一郎撮影 拡大
記者会見でボードを掲げるトランスジェンダー当事者の(左から)野宮亜紀さん、時枝穂さん、杉山文野さん=東京都千代田区で2023年3月16日午後2時2分、手塚耕一郎撮影

 性的少数者を巡るLGBT理解増進法案について「『心は女だ』と言うだけで男性も女湯に入れるようになる」といったデマが広がっている。全国組織「LGBT法連合会」のメンバーらが16日、東京都内で記者会見を開き、メンバーは「トランスジェンダー女性への差別を助長する。冷静な議論が必要だ」と呼びかけた。

記者会見でトランスジェンダー当事者としての思いを語る時枝穂さん(中央)、野宮亜紀さん(左)。右は立石結夏弁護士=東京都千代田区で2023年3月16日午後1時21分、手塚耕一郎撮影 拡大
記者会見でトランスジェンダー当事者としての思いを語る時枝穂さん(中央)、野宮亜紀さん(左)。右は立石結夏弁護士=東京都千代田区で2023年3月16日午後1時21分、手塚耕一郎撮影

 トランスジェンダーは、出生時の性別とは異なる性別を自認する人をいう。中でも、出生時は男性で、女性と自認する「トランスジェンダー女性」を巡り、性別を偽って性暴力をふるうかのような印象を与えるデマや中傷が数年前から起きていたという。先月、元首相秘書官の差別発言をきっかけに理解増進法案の策定が進む見通しとなって以降、公衆浴場の利用ルールが変わるかのように主張して不安をあおる投稿がネット交流サービス(SNS)を中心に広がっている。

 LGBT法連合会の神谷悠一事務局長は「デマが極めて広範囲に流布され、看過できない。全国約60の自治体で、性的指向や性自認による差別を禁止する条例が施行されたが、公衆浴場の利用ルールが変わったり、社会が混乱したりしたという報告はない。事実を無視し、不安をあおる議論は、断じて容認できない」と強調した。

 トランスジェンダー女性として発言した時枝穂(みのり)さんは「SNSでのヘイトに苦しい思いをしている当事者がたくさんいると知ってほしい」と訴えた。【藤沢美由紀】

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