欧州中銀利上げ、インフレ抑制優先 次回会合の方針、言及見送る

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記者会見する欧州中央銀行のラガルド総裁=ドイツ・フランクフルトで16日、AP
記者会見する欧州中央銀行のラガルド総裁=ドイツ・フランクフルトで16日、AP

 欧州中央銀行(ECB)は16日の定例理事会で、主要政策金利を現行の3%から3・5%に引き上げることを決定した。0・5%の大幅利上げは3会合連続。スイスの金融大手クレディ・スイスの経営不安など金融システムの混乱につながる懸念から利上げ幅を縮小するとの観測も出ていたが、根強いインフレ(物価上昇)の抑制を優先した。

 「インフレ率はまだあまりにも高く、長くとどまることが予想される」。ECBのラガルド総裁は会合後の記者会見で強調した。

 欧州連合(EU)統計局が2日に発表したユーロ圏20カ国の2月の消費者物価指数は前年同月に比べ8・5%上昇した。上昇率は4カ月連続で鈍化したものの、インフレ率を2%で安定させるECBの目標にはほど遠いのが実情だ。

 米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)の急激な利上げの影響で債券価格が下落。米国債などの債券を中心に資金運用してきた中堅銀行が経営破綻に追い込まれるなど金融引き締めの副作用が顕在化している。欧州でも財務基盤の弱い金融機関への影響が懸念されており、ECBが大幅利上げを続けるかが焦点となっていた。

 ラガルド氏は会見で、引き続きインフレ抑制を優先する姿勢を強調する一方で、…

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