国内MGC対象レース終了 透明性定着もなぜか浮かぬ関係者の顔

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東京マラソンでマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得し、チケット贈呈式に臨む(左2人目から)小山直城選手、二岡康平選手、高田康暉選手、富安央選手。左端は日本陸連の瀬古利彦・ロードランニングコミッションリーダー=東京都千代田区で2023年3月5日、丸山博撮影
東京マラソンでマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得し、チケット贈呈式に臨む(左2人目から)小山直城選手、二岡康平選手、高田康暉選手、富安央選手。左端は日本陸連の瀬古利彦・ロードランニングコミッションリーダー=東京都千代田区で2023年3月5日、丸山博撮影

 マラソンのオリンピック代表選考はかつて、五輪のたびに「不透明」「不公正」と物議を醸した。事実上の「一発勝負」となった東京五輪の代表選考会は「分かりやすい」と評価された。あれから4年。なぜか陸上関係者の顔がさえない。

「何となくMGCに…」

 12日に行われた名古屋ウィメンズマラソンで、10月15日のパリ五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を懸けた国内レースは終了した。出場権獲得者は男子62人、女子29人。前回はそれぞれ34人、15人だったから、ほぼ倍増である。

 ところが、長きにわたり日本男子マラソン界をけん引した日本陸連ロードランニングコミッションリーダーの瀬古利彦さん(66)は手厳しかった。

 「何となくMGCに出ればいいという雰囲気になっているのではないか」

 マラソンの五輪代表選考基準は長年「総合的に勘案」だった。

 日本陸連が主要レース結果を参考に代表選手を選出してきたが、それぞれのコースや天候など条件が異なる大会での比較には曖昧さが残り、選考に力を持つ陸連幹部の主観も交じった「密室」との批判もあった。

 1992年バルセロナ五輪では松野明美さんが選考結果発表を前に選出を直訴したことや、2004年アテネ五輪では2連覇の懸かった高橋尚子さんの落選が物議を醸したことが記憶に残る。

 「変革」の契機は、自国開催となった東京五輪だった。

 大会最終日に男…

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