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第95回センバツ高校野球

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急成長の山梨学院エースが躍動 初の甲子園で1失点完投 センバツ

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【東北-山梨学院】九回表東北無死、佐藤玲を空振りの三振に打ち取り、叫ぶ山梨学院の先発・林=阪神甲子園球場で2023年3月18日、前田梨里子撮影 拡大
【東北-山梨学院】九回表東北無死、佐藤玲を空振りの三振に打ち取り、叫ぶ山梨学院の先発・林=阪神甲子園球場で2023年3月18日、前田梨里子撮影

 第95回記念選抜高校野球大会は18日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕し、昨秋の関東大会王者で2年連続出場の山梨学院が開幕試合の1回戦で、東北(宮城)に3―1で勝利した。

   ◇

 互いに無得点で迎えた五回。山梨学院のエース・林謙吾は先頭打者に高めに浮いた変化球をたたかれ、中堅へ二塁打を浴びた。初めて許した安打。初の甲子園、それも注目の集まる開幕戦で打たれた。だが、動じることはなかった。

 テンポ良く2人を打ち取り、続く東北の7番・伊達一也を追い込むと、最後は最も自信を持つ直球で見逃し三振を奪った。ピンチを脱して、右腕は拳を握った。七回に1失点したものの、被安打5で完投した。

 「ランナーを出すのは当たり前。出してから冷静に」。試合前から自分に言い聞かせていたのは、昨秋の苦い経験があったからだ。

【東北-山梨学院】完投し笑顔を見せる山梨学院の林=阪神甲子園球場で2023年3月18日、藤井達也撮影 拡大
【東北-山梨学院】完投し笑顔を見せる山梨学院の林=阪神甲子園球場で2023年3月18日、藤井達也撮影

 関東王者として臨んだ11月の明治神宮大会では五回まで無失点に抑えながら、六回に6点を失い、チームは敗れた。「あの時はランナーを出して崩れた。今日は切り替えて投げられた」。大舞台で成長した姿を見せた。

 昨年のセンバツや夏の甲子園では、仲間の雄姿をスタンドから見守った。「試合に出られない悔しさとチームが負けた悔しさがあった」。明治神宮大会でエースナンバーを背負い、自覚も生まれた。全国で活躍できる選手を目指し、冬場は体重を7キロ増やして直球のキレに磨きをかけた。

 昨秋はスタミナ面に課題を残していただけに、吉田洸二監督は「力を振り絞って投げてくれた」とたたえた。

 林自身は「うちはいい選手がそろっている。何点取られても取り返してくれる」と控えめだが、紛れもなくチームの柱であることを聖地で証明した。【下河辺果歩】

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