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大相撲春場所7日目(18日・エディオンアリーナ大阪)
小兵の翠富士が巧みな身のこなしで高安の巨体を土俵にばったりとはわせた。休場した26歳で同学年の貴景勝と入れ替わるように、場所の主役となりつつある。
平幕同士の全勝対決。幕内で最も低く、軽い171センチ、117キロの体で、大関経験のある実力者にもひるまなかった。高安の強烈なかち上げからの突きをこらえ、右からの突き落としを決めた。
「立ち合い、押し負けなかったので圧力をかけられた。横綱と稽古(けいこ)場でやっているので、そこまで怖い感じではない」。同部屋の照ノ富士との日ごろの経験が生きた。
静岡県出身。飛龍高から進んだ近大を中退し、伊勢ケ浜部屋に入門。肩すかしを得意とし、新入幕だった2021年初場所では技能賞を受賞した。八角理事長(元横綱・北勝海)は「押し返しているから、いなしが効く。押されても押し返すという気持ちが大事。小さい人でもできるんだと、夢を与えますよね」とたたえた。
全勝だった大栄翔にも土が付き、7日目を終えて単独先頭に立った。部屋では既に優勝が話題だ。照ノ富士からも声をかけられたといい、「『さすがに気は早いけど頑張れよ、ワンチャンあるぞ、多分無理だけどな、ワハハ』みたいな笑い話をしてますね」と明かす。「常に優勝できたらなと思うけど、そんなにうまくいかない。いつバーって負けるか分からないので、集中していきたい」と気負いは感じさせなかった。【村社拓信】