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センバツ第2日(19日)1回戦 ○東邦(愛知)6―3鳥取城北●
新型コロナウイルスの影響でセンバツへの道が閉ざされた兄の思いを背負った。鳥取城北の主将・河西華槻(はづき)の兄・威飛(いぶき)さん(20)=大商大=は同校OBで、3年前に大会中止を経験した。「兄の分も勝ち進みたい」と甲子園に立ったが、勝利はならなかった。
河西は昨秋の公式戦で打率4割4分4厘をマークした実力者。東邦の投手陣からも警戒された。それでも打ち気にはやらない。「警戒されて厳しい攻めになるのは分かっていた」。きっちりボールを見極めて5打席で3四球を選び、ホームも踏んだ。「安打は出なかったが、自分の役割は果たせた」
兄の背中を追い続けてきた。小学1年時に兄がプレーする地元・兵庫の軟式野球チームに入り、中学も入れ違いで硬式の「兵庫夢前ヤング」に進んだ。兄は中学時代に元大リーガーの野茂英雄氏が総監督を務める「NOMOジャパン」に選出されたこともある。「『中学校でお兄ちゃんを超えます』ってずっと宣言していました」
兄は鳥取城北で20年センバツに出場するはずだった。しかし、コロナの影響で大会は中止に。すぐに電話した河西選手は兄の落胆ぶりが忘れられない。「『もうええわ』って感じで、元気がなくて……」。当時の心境について、威飛さんは「全てを失ったような感覚で。燃え尽きたような感じだった」と明かす。
ただ、その年の夏にセンバツ中止の救済措置として、甲子園で1試合限定の交流試合が開かれた。鳥取城北は明徳義塾(高知)にサヨナラ負けをしたが、威飛さんは八回に一時逆転となる2点二塁打を放つなど躍動した。河西選手はその姿を目に焼き付け、決断した。「お兄ちゃんと比べないでほしいと思っていたこともある。でも、兄と同じ学校に絶対に行きたくないと思っていた鳥取城北に行くと決めました」
河西は「お兄ちゃんが自分の道を切り開いてくれた」と感謝を忘れない。兄も含めた家族が見守る前で、甲子園での1勝を届けることはできなかった。それでも、頭はすぐに夏に切り替わった。「夏こそは甲子園で1勝してお兄ちゃんにいい報告をしたい」。力強く宣言して聖地を後にした。【浅妻博之】
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