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第95回記念選抜高校野球大会に登場する智弁和歌山で、主軸の中塚遥翔選手(3年)にはある「通し番号」がついている。「55」だ。野球界で「55」と聞いて、誰を思い浮かべるだろうか。
智弁和歌山には通し番号というものがある。リュックサックやウインドブレーカーなど個人の所有物を判別しやすくするため、各個人に割り振っている。
中谷仁監督は入学直後の中塚選手に「55」を贈った。「深い意味はない」と言うが、選手のイメージから番号を振るという。
では、中塚選手はどんなイメージだったのか。「長打力、スイング力は見るものがあったので、大物のホームランバッターになったらいいなという期待を込めた」
中塚選手は大阪府和泉市立信太中の時、地元の泉州阪堺ボーイズに所属し、進学先に智弁和歌山を希望していた。中谷監督が練習を見に行くと、目を見張るものがあった。「なかなか人に説明しがたい(ボールを)飛ばすコツを持っている選手だった」。その時のイメージで番号は決まった。
「松井秀喜さんですか?」と私(記者)が尋ねると、「というイメージですね。誰でしょう、今でいう(ヤクルトの)村上選手だったり、そういう長距離砲というイメージはありますね」と返ってきた。43歳の中谷監督にとって、「55」といえば松井さんだが、世代の異なる中塚選手がイメージするのはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の主砲・村上宗隆選手(23)のようだ。中塚選手に目標の選手を聞くと、「村上選手」とはっきり答えた。
中塚選手は身長178センチ、体重86キロとがっしりした体格の左打者で、昨秋の近畿大会では3試合連続本塁打を放つなど存在感を示した。
一方で、敗れた近畿大会準決勝の報徳学園(兵庫)戦では最後のバッターになった。追い込まれてさまざまな球種に対応する中で、外角高めのストライクゾーンに来た直球に空振り三振した。「本当にチームが苦しい時に一本出せるバッターが真の4番だと思う。自分の実力のなさが出た」。中谷監督も「この状況はせめて、というところで平気で空振り三振したり、突拍子もない想像しないところで長打が出たり」と語り、状況に応じた打撃を求める。
選抜大会に向けて、頭の上下動を少なくして無駄な動きをなくすことで、課題の「確実性」を高めようと取り組んできた。「ここぞという場面で一本出せて、日本一という目標を達成できたらいいな」。「55」から連想する選手が「中塚遥翔」となる日が来るように突き進む。【荻野公一】
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