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千野円句(まるく)さん(24)が世界最高峰の一つとされるロシア国立ボリショイ劇場のバレエ団で活躍するなか、ロシアがウクライナで始めた「特別軍事作戦」は、両国の舞台芸術の世界にも暗い影を投げかけている。芸術は政治と無縁でいられないのだろうか。
連載の上では、千野円句さんの半生やこの先の夢についてまとめました。
ロシアのプーチン政権が2022年2月、ウクライナ侵攻を始めると、ボリショイ・バレエにも混乱が広がった。花形バレリーナの一人、オリガ・スミルノワさんは軍事作戦を批判し、ロシアを出国、オランダのバレエ団で舞台に立つようになった。
混乱はボリショイで踊っていた外国人ダンサーも直撃した。当時所属していたブラジル人のトップダンサーをはじめとして、ほぼ全員の外国籍の踊り手たちがロシアから立ち去った。千野さんによると、このようなダンサーは6人を数えたという。
千野さんは、母真沙美さんの実家がある東京都町田市の小学校で3年間学び、10代のころ、日本国籍を選んだ。それでも人生の大半はモスクワで過ごし、真沙美さんをはじめとした家族や、多くの友人はロシアに住んでいる。
そのような環境に置かれた千野さんには、他の外国人ダンサーたちのようにロシアを後にするという道は選択できなかった。心から日本を愛していながらも、「僕は実質的にロシア人なのです」と複雑な心境を打ち明ける。
今のロシアではウクライナで続く戦闘を批判したと捉えられた言動は罰則対象になりかねない。国立の劇場で働く千野さんが公の場で話せることは必然的に限られてしまう。
「(ロシアとウクライナの)二つの国がこんなことになっているのは非常に悲しいです」。多くの文化を共有し、似たような言葉を話し、バレエの世界では共通のルーツを持つウクライナとの間で戦闘が続く現状に心を痛めている様子が、とつとつとした語り口から伝わってくる。
ロシアとウクラ…
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