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第95回センバツ高校野球

第95回選抜高校野球大会(2023年)の特集サイトです。

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車のナンバーは33年前の「あの日」 社の監督が刻む原点 センバツ

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センバツの戦い方について選手たちと話し合う山本巧監督(左から2人目)=兵庫県加東市の社高で2023年2月5日午後5時14分、喜田奈那撮影 拡大
センバツの戦い方について選手たちと話し合う山本巧監督(左から2人目)=兵庫県加東市の社高で2023年2月5日午後5時14分、喜田奈那撮影

 マイカーのナンバープレートの数字は「あの日」を刻み込んだものだ。熱戦が続く第95回記念選抜高校野球大会で20日登場する社(兵庫)の山本巧監督(50)の原点は、社の野球部員だった33年前の敗北にある。

 山本監督は高校時代は一塁手として活躍し、3年時の1990年の春の県大会で準優勝。夏の甲子園出場が期待されていた。迎えた最後の夏の兵庫大会5回戦で強豪の滝川第二と対戦。3点を追う九回、山本監督も左前打を放つなど追い上げたが4―5で敗れた。最後の打者の右飛が相手のグラブに収まる瞬間はスローモーションのように鮮明に覚えているという。

 だが山本監督は必死に涙をこらえた。「負けを受け入れると、自分の挑戦が終わってしまう」。球場から学校に帰るバスの中では再び甲子園を目指す方法を考え、指導者になろうと決意した。7月27日だった。マイカーのナンバーは今もこの数字にしている。

 2014年に母校の監督に就き、22年夏に自身初の甲子園にチームを導いて念願をかなえた。夏春連続の晴れ舞台となるセンバツを前に「全ては高校の時に負けた『あの日』に決め、そこから始まった。今は甲子園が終わった後にどうするべきか、もう一つ先のことを考えている」。山本監督の挑戦は続く。【喜田奈那】

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