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高校野球物語2023春

「想像を超えろ」仙台育英“弟ズ”変えた異例のチーム作り センバツ

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打撃練習をする仙台育英の山田脩也主将=宮城県多賀城市で2023年1月28日、和田大典撮影
打撃練習をする仙台育英の山田脩也主将=宮城県多賀城市で2023年1月28日、和田大典撮影

 仙台育英(宮城)は昨夏の甲子園で、悲願の東北勢初優勝を果たした。須江航監督(39)が優勝インタビューで口にした「青春って、すごく密なので」は「新語・流行語大賞」の選考委員特別賞になるなど、高校野球の枠を超えて注目された。あれから約半年、今春は史上5校目の甲子園夏春連覇が懸かる。優勝旗の「白河の関越え」を達成した昨夏を上回るため、異例のチーム作りに挑んできた。

「弟ズ」の代表格

 仙台育英の山田脩也主将(3年)はプロ注目の遊撃手。チームではいじられキャラだ。

 後輩にちょっかいを出されることもあるが、笑顔で応じ、周囲をいつも和やかな雰囲気にする。演じているわけではなく「自分、アホなんで」と笑う。ただ、これが自身の強みであることも知っている。「自分がうまくいかなくても、他の人がサポートしてくれる。こんなキャプテンでもいいんじゃないですかね」

 新チームは昨夏の優勝メンバーが数多く残った。しかし、姉や兄を持ち、引っ込み思案な選手が多く、須江監督から「弟ズ」と命名されて始動した。マイペースな選手が多いため、「夏の優勝校」の重圧を強く受けることはなかったが、主体性に欠ける弱点があった。

 チームのけん引役を担うのが山田主将だ。仙台育英3年時に春夏の甲子園に連続出場し、現在は社会人野球のTDKでプレーする兄の利輝選手と共に野球を始め、U12(12歳以下)日本代表「侍ジャパン」に選ばれた実力者。仙台育英でも1年夏から背番号「6」を背負い、攻守の軸として昨夏の甲子園優勝にも貢献した。野球の能力では「順当」といえる。

 ところが、…

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