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第95回記念選抜高校野球大会第3日の20日、初戦となる2回戦に臨んだ二松学舎大付は、攻撃で何度も好機を作るもあと一本が出ず、昨秋の明治神宮大会準優勝の広陵(広島)に敗れた。先発した重川創思(3年)ら投手陣が粘り強く試合を作ったが、相手打線を抑えきれなかった。選手たちは最後まで諦めずに戦い、試合後、スタンドから健闘をたたえて大きな拍手が送られた。【加藤昌平、近森歌音、小林遥】
2021年夏から4季連続の甲子園出場となるチームは、甲子園常連の強豪に真っ向勝負を挑んだ。
先発を任されたのはエースの重川。これまで公式戦では中盤から継投することが多く、公式戦初の先発となった。父の嗣忠さん(50)が「立ち上がりがどうなるか。しっかり投げてほしい」と見守る中、強気に相手打者のインコースを攻め、しっかりと試合を組み立てた。
打線は三回、2死走者なしから2番・長野清弥(2年)が死球で出塁。昨夏の甲子園で本塁打を放っている3番・片井海斗(同)が「無意識に体が動いた」とチーム初安打を左前に運び、好機を広げた。得点はならなかったが、片井の父雅也さん(45)は「とりあえずひと安心。まだまだ中盤。巻き返せる」と声援を送った。
ただ、試合は走者を出しても後が続かないもどかしい展開になった。四回に大矢青葉(3年)、押切康太郎(同)の安打で好機を作るなどしたが、得点は奪えず。重川は五回に連打を浴び3失点。六回途中から登板した大内啓輔(2年)は打たせて取る投球で好投したが、流れは変わらなかった。
迎えた九回の攻撃、アルプススタンドで学生服を着た応援同好会のメンバーが演舞を見せると、応援団の「二松、二松」という大きな声が響いた。先頭の代打・日笠礼凰(3年)が冷静に四球で出塁すると、応援もヒートアップ。しかし、最後まで相手投手を打ち崩せなかった。
チームは1982年のセンバツ準優勝を超える「日本一」を目指したが、目標は果たせなかった。スタンド最前列で応援した鵜飼敦之校長は「一生懸命頑張ってくれた。リベンジを誓って夏に戻ってきたい」と語った。
初の声出し応援
○…二松学舎大付のスクールカラーの緑に染まったアルプススタンドでは、学生服姿の応援同好会の女子生徒4人が声援を送った。これまで新型コロナウイルスの影響で応援が制限され、メンバーが声を出して応援をするのは初めて。部長の小林侑加さん(3年)は「応援の仕方が分からない」と悩み、吹奏楽部やチアリーダー部と話し合いながら甲子園に向けて応援を一から作り直した。この日は野球部員と一緒に声を出しながら、メガホンを手に踊ったり腕を振ったり。「甲子園をテレビで見た時から、スタンドでの応援に憧れていた。野球部の後押しをしたい」とエールを届けた。
■ズーム
野球一筋、夏へ成長誓う 二松学舎大付・重川創思(おもかわ・そうし)投手(3年)
初めて上がった甲子園の先発マウンドは、悔しさが残るものだった。五回に連打されるなど、六回途中まで投げて4失点。試合後、「これが今の実力」と肩を落とした。
「趣味と呼べるものがなく、楽しくて続けられたのが野球だった」と言うほど野球一筋。昨夏の甲子園でリリーフ登板を経験し、新チームでエースナンバーを背負った。昨秋の都大会決勝での敗戦を糧に、この冬はウエートトレーニングで筋力強化に励むなどし、球速をアップさせた。
この日、市原勝人監督に「逃げずに攻めるように」と言われ、公式戦で初めて先発を任された。「なんとしても勝ちたい」と思ったが、緊張もあってボールが先行し、生命線である制球に苦しむ投球に。降板後もベンチで声を出して仲間を鼓舞したが、勝利はつかめなかった。
チームは4季連続の甲子園出場だが、昨夏までは上級生が引っ張ってくれた。「自分が最上級生としてセンバツで責任を背負いきれなかった。強い選手になりたいです」。大舞台で苦い経験を積んだエースは、夏に向けて成長を誓った。【小林遥、加藤昌平】
〔多摩版〕
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