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第95回センバツ高校野球

第95回選抜高校野球大会(2023年)の特集サイトです。

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センバツ2023 2回戦 敦賀気比 流れつかめず 2年生左腕、粘投光る /福井

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【敦賀気比-大阪桐蔭】大阪桐蔭に敗れ、グラウンドを後にする敦賀気比の選手たち=阪神甲子園球場で2023年3月20日、中川祐一撮影 拡大
【敦賀気比-大阪桐蔭】大阪桐蔭に敗れ、グラウンドを後にする敦賀気比の選手たち=阪神甲子園球場で2023年3月20日、中川祐一撮影

 阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開かれている第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)は第3日の20日、3年連続10回目の出場となる敦賀気比(福井)が初戦の2回戦で前回優勝の大阪桐蔭に1―3で敗れ、3年連続初戦敗退で7年ぶりの勝利はならなかった。福井勢の初戦敗退は今大会の北陸に続き、延べ5校連続となった。それでも、春夏計9回の全国制覇を誇る優勝候補を相手に最後まで競り合った選手たちには、一塁側アルプス席から大きな拍手が送られた。【来住哲司、竹林静】

 敦賀気比は最初から優勝候補・大阪桐蔭に臆さずに戦った。打線は一回2死後、3番・伊藤剛志、4番・高見沢郁魅の連打で一、三塁。後続が倒れたものの、いいムードが生まれた。高見沢の父でプロ野球・元オリックス外野手の孝史さん(47)は「ヒットが出れば(打撃内容は)何でもいい。打撃の調子は関係ない。思い切ってやってほしい」と力を込めた。

 背番号18を背負う先発の2年生左腕・竹下海斗は二回まで1安打無失点と無難な立ち上がり。父宏志さん(57)は「上出来。いつも通りに動けていて安心しました」とホッとした様子だ。

 三回の守りで2死二塁から連続適時長短打を許して2点を先制されたが、打線はすぐに反撃。四回に敵失で無死一塁とし、6番・友田泰成が左翼線を破る適時二塁打を放って1点差に迫った。友田の母あゆみさん(39)は「感無量です。今まで努力をしっかりしてきた子。力を出してくれた」と喜んだ。

 大阪桐蔭の強力打線に対して竹下はチェンジアップを有効に使い、6回2失点でまとめた。リードした2年生捕手・中森昂が「直球を見せて変化球で打ち取る配球。変化球が低めに決まっていた」とたたえる内容だった。

 七回に救援したエース右腕・辻晶太が長打2本を浴びて1失点。打線も五回以降、好機を再三作って粘りを見せたが、本塁は遠かった。甲子園5季連続出場のチームは優勝候補を苦しめたものの、センバツでは3年連続で校歌を歌えないまま甲子園を去ることになった。東哲平監督は「みんな必死になって、何とか勝とうとしていた。今の力はある程度出せた」と評価し、再起を期していた。


 ■熱球

敦賀気比の高見沢郁魅=福井県敦賀市で2023年1月27日、望月亮一撮影
敦賀気比の高見沢郁魅=福井県敦賀市で2023年1月27日、望月亮一撮影

夏へ自信と課題くれた春 高見沢郁魅(いくみ)三塁手 敦賀気比・3年

 4番打者として初めて臨んだ甲子園で、実力を示した。「世代ナンバーワン左腕」の評価もある大阪桐蔭・前田悠伍から2安打を放った。

 一回2死一塁では内角高めのツーシームを右前に引っ張り、一、三塁と先制機を作った。2点を追う八回1死では外角直球を鮮やかに左前に流し打った。「前田投手は球が速かった。2安打できたのは自信になった」と収穫を挙げつつも、五回2死一、二塁の好機でフルカウントから外角直球に空振り三振に倒れたことに「最初の甘いストライク(2球目)を捉えられなかった(空振り)」と反省点を挙げた。

 埼玉県出身で、父孝史さん(47)はプロ野球・オリックスで外野手としてプレーした。父から「来た球に逆らわずに打て」とよくアドバイスされるといい、八回の左前打は父の教えを実践した形だ。

 昨年の春夏に続く3季連続で踏んだ聖地。「今回が一番プレッシャーがあった。最後(のセンバツ)なので、思い残すことがないようにしたかったが、悔しい」。今後に向けて「活躍してほしい場面で活躍できる4番になる」と目標を掲げる。自信と課題を持ち帰った春だった。【来住哲司】

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