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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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首相のウクライナ訪問、異例ずくめ ダミーの日程、不自然な「余白」

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キーウ中央駅に到着した岸田文雄首相(手前左)=ウクライナ・キーウで2023年3月21日(内閣広報室提供)
キーウ中央駅に到着した岸田文雄首相(手前左)=ウクライナ・キーウで2023年3月21日(内閣広報室提供)

 岸田文雄首相のウクライナへの電撃訪問は、最小限の人数のみの移動となった。安全確保が理由とはいえ、「ダミー」の日程まで用意して情報を管理する異例ずくめの極秘行動となった。

 首相官邸は22日朝、インドから帰国予定としていた首相の同日朝から夕方にかけての、日本での日程をすべて取り消した。この時点で首相はウクライナ領内にいた。

 取り消された日程は20日夜に発表されていたが、「物価・賃金・生活総合対策本部」や「こども政策の強化に関する関係府省会議」など各種会議でのあいさつ、繰り下げ閣議への出席なども記載されたダミーだった。結局、首相不在のため松野博一官房長官が代理出席するなどしたが、ウクライナ訪問を隠すため、通常日程を装っていたことが浮かぶ。

 首相は19日深夜、羽田空港を航空自衛隊が運航する政府専用機で出発し、インドを訪問した。報道各社の記者団も同行した。事前の説明はまったくなかったが、各社は首相はインドからすぐに帰国せず、ウクライナへ向かうのではないかと警戒していた。同行記者団に渡された取材要領に不自然な点があったからだ。

 首相は、インドのモディ首相との会談や日系企業関係者との夕食会などインドでの全日程を20日午後6時半(日本時間同日午後10時)までに終えることになっていた。だが、…

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【ウクライナ侵攻】

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