袴田事件 検察、再審公判で有罪立証見送りへ 早期の無罪決着か

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登壇して支援者らを前にマイクを握る袴田巌さん=静岡市で2023年3月21日午後2時25分、二村祐士朗撮影
登壇して支援者らを前にマイクを握る袴田巌さん=静岡市で2023年3月21日午後2時25分、二村祐士朗撮影

 1966年6月に静岡市(旧静岡県清水市)で一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定し、再審開始が確定した袴田巌さん(87)について、検察当局が今後開かれる静岡地裁の再審公判で有罪立証を見送る方向で検討していることが関係者への取材で判明した。大きな争点がなくなることで審理が短縮され、袴田さんへの無罪判決が早まる見通しとなった。

 袴田さんの再審開始を認めた13日の東京高裁差し戻し審決定は、血液が付着した衣類をみそ漬けした弁護側実験の信用性を認め、「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠」と判断した。検察当局は高裁が証拠の判断を著しく誤っていないか検討を重ねたものの、不服申し立ての期限だった20日に最高裁への特別抗告を断念した。再審公判は、確定審に出された証拠に再審請求審で認められた新証拠を加えて審理が進められる。

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