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WBC2023

第5回ワールド・ベースボール・クラシックで日本代表「侍ジャパン」は、3大会ぶり3回目の優勝を果たしました。

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「憧れては超えられない」大谷翔平が紡いだ物語 その極上フィナーレ

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【日本-米国】優勝して喜び合う大谷翔平選手(中央)ら日本の選手たち=米マイアミのローンデポ・パークで2023年3月21日、猪飼健史撮影
【日本-米国】優勝して喜び合う大谷翔平選手(中央)ら日本の選手たち=米マイアミのローンデポ・パークで2023年3月21日、猪飼健史撮影

 野球の国・地域別対抗戦、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表「侍ジャパン」が3大会ぶりの頂点に立った。21日、米フロリダ州マイアミであった決勝で米国に3―2で勝利した。

 こんな巡り合わせがあるのだろうか。3―2の九回2死、抑えでマウンドに立っていた大谷翔平選手が迎えたのはエンゼルスの同僚、マイク・トラウト選手。「現役最強打者」と評される米国の主将と、18・44メートルの距離を挟んで向き合った。

 「ある程度プランは立てたが、後は打者と投手の間合いの中で球種を選択した」。100マイル(約161キロ)超の速球で押し込み、最後は外角に大きく逃げていくスライダーでバットに空を切らせて三振。グラブとキャップを思いきり放り投げ、大きくほえた。内外野、ベンチから次々と集まる仲間たち。あっという間に広がった歓喜の輪の中心では、日本が世界に誇るヒーローが跳びはねていた。

 「間違いなく今まででベストの瞬間。野球界の前進を感じた」。目元を拭うような仕草には「汗です」。いたずらっぽく笑った。

 「小さい頃からの夢だった」という大会で、打っては全7試合で安打と快音を響かせ、投げても3試合でマウンドに立ってチームを勝利に導いた。全力疾走あり、感情をあらわにした絶叫あり。トラウト選手をはじめ大リーグ最優秀選手(MVP)受賞者が並ぶ米国のドリームチームとの決勝戦前には、円陣で口を開いた。

 「僕から一個だけ。…

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