野球知らぬ子も「ぐりぐり」 ヌートバーの濃密な3週間 WBC
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わずか3週間で、その名は日本中に知れ渡った。野球の国・地域別対抗戦、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日系選手として初めて日本代表「侍ジャパン」に選ばれ、優勝に貢献したラーズ・ヌートバー選手(カージナルス)。あの「ぐりぐり」のパフォーマンスは、野球を知らない子供たちにも広まった。
21日(日本時間22日)の決勝で米国を破り、歓喜の輪がようやく解けた頃、グラウンドで両親と3人そろってテレビのインタビューを受けた。日本人の母久美子さん(57)は息子が首から掛ける金メダルをうれしそうに手にし、「こんなのもらっちゃってすごいですよね」と満面の笑みを浮かべた。日本で生活したことのない息子が日本代表の一員として活躍し、「最初は心配だったんですけど、みなさんに温かく受け入れてもらって最高のチームだったと思います」と感謝した。栗山英樹監督と互いに頭を下げ、お礼を言い合った。
栗山監督が公の場で初めてヌートバー選手の名前を出したのは1月11日。2021年にメジャーデビューし、22年に14本塁打を放った25歳に関する情報は少なく、「どんな選手なのか」と注目が集まった。全30選手を確定させる前に先行して発表した栗山監督は「表情を見たり、直接話したりしたら、100%、皆が好きになる」と話し、その言葉は現実になった。
来日は3月2日早朝。中日との壮行試合に合わせてチームが滞在していた名古屋に移動し、翌3日、バンテリンドームナゴヤに入ったヌートバー選手は「緊張した」という。だが、佐々木朗希投手(ロッテ)が着ていたTシャツが目に飛び込んできた。…
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