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「防衛力強化」が進む島々 国と住民、「有事」意識に差=山口桂子(西部報道部)

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日米共同統合演習での訓練後、自衛隊の水陸両用車に近づき、スマホなどで撮影する島民ら=鹿児島県徳之島町の万田海岸で2022年11月18日、山口桂子撮影
日米共同統合演習での訓練後、自衛隊の水陸両用車に近づき、スマホなどで撮影する島民ら=鹿児島県徳之島町の万田海岸で2022年11月18日、山口桂子撮影

 相手国のミサイル発射拠点をたたく反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有など、政府が戦後の安全保障政策を転換したことを受けた連載「『平和国家』はどこへ」(1月)の取材で、「防衛力強化」が進む鹿児島県の島々を訪ねた。安全保障に関わる現場を取材して感じたのは、国と住民の間で有事に対する意識に大きなギャップが存在することだった。リスクを含めた説明や議論がないまま、日米が一体となって有事に備えた訓練や島の軍事拠点化に突き進む状況に危うさを感じた。

 2022年11月18日、鹿児島県の徳之島は異様な雰囲気に包まれていた。上空を米軍輸送機オスプレイが旋回し、沖合に米軍と海上自衛隊の巨大な輸送艦が浮かぶ。二つの輸送艦から海上に発進した陸自の水陸両用車「AAV7」14両は大きなエンジン音と姿をくらますための白煙を上げ、島の海岸に上陸。小銃を持った陸自隊員たちが中から現れ、浜辺に展開した。

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