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私が思う日本

東京に駐在する外国メディアの特派員らが見た日本の姿を伝えます。

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BBCが追及した性的虐待疑惑 英誌元特派員が感じたこととは

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英誌「エコノミスト」の元東京特派員、デイビッド・マックニール聖心女子大教授=東京都渋谷区で2021年12月20日、内藤絵美撮影
英誌「エコノミスト」の元東京特派員、デイビッド・マックニール聖心女子大教授=東京都渋谷区で2021年12月20日、内藤絵美撮影

 東京に駐在する外国メディア特派員の目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか。韓国、フランス、英国、バングラデシュ、シンガポールの個性豊かな記者たちがつづるコラム「私が思う日本」。第73回は英誌エコノミストのデイビッド・マックニール元東京特派員が執筆した。英公共放送BBCは今月、ジャニーズ事務所創設者、ジャニー喜多川氏の性的虐待疑惑についての番組を放送した。この問題について自身の考えを記した。

 日本に初めて来た時、最も人気があるグループ「SMAP」が毎晩多くのテレビ番組に出演しているのを見て驚いた。後に私は、SMAPが「光GENJI」「TOKIO」「KinKi Kids」などをプロモーションしたジャニーズ事務所に所属していることを知った。一つの企業によるこれほど突出した大衆文化への浸透は、私が知る限り世界でも例がない。

 事務所の創業者、ジャニー喜多川氏はアイドルグループをプロデュースし、そのイメージや演出を厳しく管理した。彼はチーフスカウト兼育成者として、「合宿所」と称される自宅マンションに、スターに憧れた10代の少年たちを集めた。

 喜多川氏は愛され、恐れられてもいたようだ。彼がマネジメントしていたアイドルグループ「シブ…

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