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東京に駐在する外国メディア特派員の目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか。韓国、フランス、英国、バングラデシュ、シンガポールの個性豊かな記者たちがつづるコラム「私が思う日本」。第73回は英誌エコノミストのデイビッド・マックニール元東京特派員が執筆した。英公共放送BBCは今月、ジャニーズ事務所創設者、ジャニー喜多川氏の性的虐待疑惑についての番組を放送した。この問題について自身の考えを記した。
日本に初めて来た時、最も人気があるグループ「SMAP」が毎晩多くのテレビ番組に出演しているのを見て驚いた。後に私は、SMAPが「光GENJI」「TOKIO」「KinKi Kids」などをプロモーションしたジャニーズ事務所に所属していることを知った。一つの企業によるこれほど突出した大衆文化への浸透は、私が知る限り世界でも例がない。
事務所の創業者、ジャニー喜多川氏はアイドルグループをプロデュースし、そのイメージや演出を厳しく管理した。彼はチーフスカウト兼育成者として、「合宿所」と称される自宅マンションに、スターに憧れた10代の少年たちを集めた。
喜多川氏は愛され、恐れられてもいたようだ。彼がマネジメントしていたアイドルグループ「シブ…
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