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(大和書房・1650円)
著者の「愛」をつづったエッセーだ。「好きすぎて社会生活に支障をきたすほど」読書を好み、「宝塚、EXILE一族、新日本プロレス」の輝きに引きつけられ、植物や動物たちと過ごす。そんな日常を通し、おもしろおかしく自身の「愛」を歌い上げる。
しかし、笑いだけで終わらせないのが作家の筆だ。
例えばコロナ禍で長く控えられていた外食から、「他者の存在」が「この世界のうつくしさの根本」と考え、多様性に言及する。あるいは、ある短編集を紹介する際に記された「明確でわかりやすい言葉が、『いい言葉』とは限らない」という鋭い警句。ユーモアの中に、はっとさせられる思考や言葉を巧みに織り交ぜ、読者を飽きさせない。
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