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高松商の左腕「出し尽くした」 未完の大器が力不足を痛感 センバツ

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【東邦-高松商】六回表東邦1死、岡本(左)に本塁打を打たれ、打球の行方を追う高松商の先発・大室=阪神甲子園球場で2023年3月25日、滝川大貴撮影 拡大
【東邦-高松商】六回表東邦1死、岡本(左)に本塁打を打たれ、打球の行方を追う高松商の先発・大室=阪神甲子園球場で2023年3月25日、滝川大貴撮影

センバツ高校野球第7日(25日)2回戦 ○東邦(愛知)6―3高松商(香川)●

 悔いの残るボールは一球もなかった。だからこそ、悔しい。高松商の188センチの大型左腕・大室亮満は昨秋の東海王者を相手に力不足をただただ痛感した。

 打線が1点差に迫った直後の八回、とんとんと2死を奪うも、東邦の4番・石川瑛貴にこの日3本目の二塁打を打たれた。さらに、次打者の中前適時打で差を2点に広げられてしまった。二塁打は直球、中前適時打はスライダーを打たれたが、いずれも捕手の要求通りのコース、高さ。「持てる力を出し尽くした。今のレベルでは全国で通用しなかった」。悔しさを押し殺すように淡々と答えた。

 昨夏の甲子園は2試合に登板した。準々決勝の近江(滋賀)戦では先発し、5回4失点。「雰囲気にのまれた」と力を全く発揮できなかった。

 性格は元々、「大」がつくほど真面目だが、昨夏を経てさらに野球への意識を高めた。体のケアのために長時間かけてストレッチやチューブトレーニングを行った。捕手の佐藤颯人は「自分の世界を持って、ルーティンなどを黙々とこなしている」と強調する。大室も「夏から日常生活からすべてを変えた。試合への準備の仕方は良くなった」と自負する。6失点で完投したが、緊張し過ぎることなく、ポーカーフェースで最後まで投げきれたことが収穫だ。

 昨夏は浅野翔吾(巨人)を擁し、打ち勝ってチームは8強入りした。今年は突出した選手がいないからこそ、背負うエースナンバーの重みを理解している。「すべてが足りない」。未完の大器は、再び走り出す。【大東祐紀】

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