チェコが教えてくれた勝ち負けではない魅力 WBC記者総括/3
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野球日本代表「侍ジャパン」が3大会ぶりの頂点に立って幕を閉じた第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。大会を現場で取材した毎日新聞担当記者が、名場面の裏側や印象に残った出来事などに迫ります。3回目は野球を全力で楽しみ、グラウンドの内外で人々を魅了したチェコ代表チームの話です。
WBCの大会前、チェコリーグでプレー経験のある田久保賢植さん(38)に話を聞き、驚いた。現地にプロリーグはなく、多くの選手が他の本業で生計を立てるアマチュア選手だった。エース格のシュナイダー選手は消防士、主将のジーマ選手は金融トレーダー、ハジム監督は精神科医だ。多彩なバックグラウンドは魅力的だが、実際にそうした職業を持ちながらレベルの高いプレーを追求していくことは簡単ではないだろう。
日本の社会人野球を思い浮かべたが、それぞれバラバラの職業を持つ選手たちが仕事を終えた平日夜や休日に練習をする環境は、企業チームよりもクラブチームに近いのかもしれない。本当に野球が好きでなければ続けられないだろうし、彼らにとって野球とはどんな存在なのか。1次リーグB組が開幕した9日、チェコ大使館で開かれた記者会見で選手に尋ねて…
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