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兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で熱戦が繰り広げられている第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第7日の25日、北海道代表のクラーク記念国際は沖縄尚学(沖縄)と対戦し、1-3で惜敗した。計8安打を放って再三、得点圏に走者を出すも、あと1本が出なかった。初戦で敗退した昨年のセンバツのリベンジを果たすことはできず、「甲子園初勝利」も持ち越しとなった。【金将来、近森歌音】
クラーク記念国際は、序盤から沖縄尚学のエース・東恩納(ひがしおんな)蒼(3年)の投球に苦戦を強いられる。山田陽紫(きよし)(2年)や鈴木凰介(おうすけ)(2年)らが安打で出塁するも昨秋の北海道大会4試合で16得点の打線がつながらない。七回裏まで無得点に抑えられた。打線の要である中村光琉(ひかる)(3年)は「チャンスで打てなかった。直球に押し負けてしまった。自分の実力のなさを思い知った」と悔やんだ。
打線の援護がない中、エースの新岡歩輝(あゆき)(3年)は踏ん張りきれなかった。三回表、安打と四球で走者を抱えると、適時二塁打を浴びて2失点。六回表に追加点も許した。新岡は「ピンチの場面で甘いコースに投げてしまった。みんなに勝利を届けられなくて悔しい」とほぞをかんだ。一方、青森県から応援に駆けつけた父親の真吾さん(45)は「失点はあったけれど、自分らしい投球ができていた。誇らしい」とねぎらった。
クラークが一矢報いたのは八回裏。山田、新岡の連打、麻原草太(3年)の送りバント後、中村が死球を食らい、1死満塁の好機を迎える。打席はこの試合3安打と絶好調の鈴木に回った。快音は響かなかったものの、一塁ゴロの間に山田が生還して1点を返した。好機を演出した山田の兄、晴陽さん(19)は「人一倍がんばってきた陽紫が活躍してうれしい」と手をたたいた。しかし、反撃はそこまでだった。最後まで東恩納を打ち崩せず、ゲームセット。「リベンジ」を誓った今大会だったが、初戦の壁は高かった。
選手たちの奮闘に一塁側アルプス席は惜しみない拍手を送った。佐々木啓司監督(67)は「夏に向けてまた一から頑張りたい」。新岡主将は「打撃面のレベルを上げ、更に強くなって夏に甲子園に帰ってきたい」と誓った。
青色の応援団1800人
○…約1800人の応援団が一塁側のアルプス席をチームカラーのブルーで染めた。応援の一体感を生み出したのが、吹奏楽の「爆音」だった。新型コロナウイルスの流行が落ち着き、3年半ぶりに声出し応援などが解禁された今大会。クラーク記念国際と系列2校の生徒計約100人による吹奏楽が甲子園全体を飲み込んだ。メンバーは全国に散らばっており、この日が初顔合わせ。クラーク記念国際吹奏楽部の河野愛美部長(3年)は「音を合わせるのは初めてだが、違和感はない。すごく楽しい」と演奏で試合をもり立てた。
■ズーム
最後の挑戦「必ず戻る」 クラーク 麻原草太捕手(3年)
4番としてはやる気持ちを抑えた。「チームが勝てるのならば……」。3点を追う八回裏無死一、二塁の場面で選んだのは、フルスイングでなく、バントだった。球は投手前に転がり、その後の得点につながった。
昨春のセンバツは7番だった。チームは初戦で延長戦の末にサヨナラ負け。自身も無安打で悔いが残り、「また戻ってくる」と誓った。一つ上の先輩が引退した昨秋にできた新チームで副主将と4番を任された。甲子園への思いに「自分が打たなきゃ」という責任感が加わり、重圧となって打撃不振が続いた。
支えは両親だった。「期待を背負ってがんばるしかない。草太ならばできる」。母親の美智子さん(48)から幾度もかけられたあたたかい言葉で自信を取り戻し、昨秋の北海道大会は攻守でチームを引っ張った。
迎えた2度目の甲子園。相手の投球を見極める選球眼で四球を二つ選び、バントも成功させた。「『長打を打つことが自分の役目』という考えを捨てられた」と昨年からの成長点を挙げる。負けはしたものの、言葉に自信がみなぎっていた。
人間的に一回り成長した副主将。「次の夏が最後の挑戦。次こそリベンジを果たすため、必ず戻ってきたい」【金将来】
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