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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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ベラルーシを対NATOの前線化 戦術核配備、揺さぶるプーチン氏

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握手を交わすロシアのプーチン大統領(右)とベラルーシのルカシェンコ大統領=モスクワ郊外で2023年2月17日、スプートニク通信・ロイター
握手を交わすロシアのプーチン大統領(右)とベラルーシのルカシェンコ大統領=モスクワ郊外で2023年2月17日、スプートニク通信・ロイター

 ロシアのプーチン大統領は初めて国外での戦術核配備にかじを切ったことで、ウクライナへの軍事支援を続ける欧米諸国に対抗する姿勢を一層鮮明にした。ウクライナ侵攻の拠点としてきた同盟国ベラルーシを、北大西洋条約機構(NATO)と対峙(たいじ)する前線としたい思惑ものぞかせている。

 ベラルーシはウクライナのほか、ポーランド、リトアニア、ラトビアというNATO東方の加盟国と国境を接している。ベラルーシへの戦術核配備が、ウクライナに対する核使用の脅威をちらつかせるだけでなく、NATO加盟国を威嚇する狙いも込めているのは確実だ。

 比較的短い距離で範囲を限定した攻撃が想定される戦術核は、爆撃機や弾道ミサイルなどに搭載できる。ロシアはポーランドとリトアニアに挟まれた飛び地カリーニングラード州を自国領とし、同州で核弾頭を搭載できる最大射程500キロの弾道ミサイル「イスカンデル」の配備を始めるなど、近隣の欧州諸国に軍事的な圧力をかけてきた。

 NATOの東方拡大とウクライナ支援に強く反発してきたプーチン氏は、英国によるウクライナへの劣化ウラン弾供与など核関連の兵器使用を進めているのは米欧側だとして国外初の戦術核配備を正当化し、政治的にも欧米に揺さぶりをかける。

 ベラルーシのルカシェンコ大統領は…

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【ウクライナ侵攻】

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