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兵庫県尼崎市立歴史博物館の開館に向けて、1986年に採用された学芸員、桃谷和則さん(60)が3月末、定年を迎える。開館は予定より30年遅れたが、市の産業遺産の調査研究を続け、正規学芸員として最後の講座で「学芸員でいられたことがありがたい」と語った。
博物館は市制70周年(86年)記念事業として計画。当時珍しかった近現代専門の学芸員として市教委に採用され、準備室に配属された。産業構造が変化し、重厚長大といわれた産業の工場が撤退する時期で、高度経済成長を支えた工業都市の記録を残すのが使命と桃谷さんは考えた。
神戸で生まれ育ったが、自転車で尼崎南部の臨海工業地帯などを回り、展示物調査で市内21社を訪問するなど情熱的に働いた。だが、バブル崩壊や阪神大震災で財政が悪化し、博物館開館計画は凍結、2002年に準備室は廃止された。「正直、泣きました」と明かす。
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