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ロシアのプーチン大統領や米国のトランプ前大統領とナチス・ドイツのプロパガンダには類似性がある。ウクライナをめぐってもプロパガンダが渦巻く。言語哲学に詳しい和泉悠・南山大准教授が、実例を交えながら解説する。【聞き手・宍戸護】
喜怒哀楽や恐怖の感情を利用
プロパガンダは根拠を示した説得や合理的な議論をせずに、人間の喜怒哀楽や恐怖といった感情を利用して、他人の考えを操作しようとすることだ。コミュニケーションの手法の一種で、良いものや、悪いものにも当てはまる。テレビCMですてきな俳優が出てきて、商品名を連呼して「これはよいですね」ということもプロパガンダ(宣伝)の一つの形だ。
これに対し、政治や戦争で使われる場合は、本当の狙いを別の理念で隠すケースがよく見られる。例えば政治家が議論もなく「法と秩序を」と連呼する。フレーズ自体は間違っておらず、多くの人々は賛同する。だが実際に行われていることは社会的弱者や少数派の取り締まりや排斥だったりする。本当の目的は「差別的な処遇」にあったが、政治家は決してそう言わない。
「腐敗を撲滅する」「既得権益をぶっ潰す」といったスローガンを繰り返し訴えることも同じ構造だ。そう言う政治家が実際には腐敗していたり、既得権益を得ていたりすることもある。自己矛盾を抱えていることが特徴の一つとも言える。
メディアの裏取り前に
プロパガンダの目的は人々を混乱させることでもよい。意図的ではない誤情報や考え抜いて流された偽情報、報道の体裁をとったフェイクニュースについて人々は最初、「うそだ」と見抜ける可能性が高い。だが、そうした情報に長期にわたり繰り返し接しているうちに、情報源を忘れ「何が正しいのか」と混乱し始める。
権力側は情報の出し方や、その情報の正誤に興味はなく、ジャーナリストや記者が虚偽の裏付けを取る前に、その数倍の情報を流そうとする。…
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