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首相もポーズだけ? 「LGBT法案」議論棚上げ、自民の事情

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LGBTQなど性的少数者の支援団体の関係者と面会する岸田文雄首相(左から5人目)。右端は森雅子首相補佐官=首相官邸で2023年2月17日午後3時4分、竹内幹撮影
LGBTQなど性的少数者の支援団体の関係者と面会する岸田文雄首相(左から5人目)。右端は森雅子首相補佐官=首相官邸で2023年2月17日午後3時4分、竹内幹撮影

 元首相秘書官の差別発言をきっかけに一時は機運が高まった、LGBTQなど性的少数者への理解増進を目的とする「LGBT理解増進法案」の議論が棚上げ状態となっている。自民党が統一地方選での悪影響を懸念し、議論自体を先送りしているためだ。超党派の議員連盟は広島で5月19~21日の日程で開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)までの法制化を目指すが、実現する見通しは立っていない。

一時的に高まった機運

 岸田文雄首相は今年2月の元首相秘書官の差別発言を受け、国会答弁で「多様性を認め合う包摂的な社会を目指す政権の方針とは全く相いれない。言語道断だ」と明言。自身も少数者の当事者団体と面会し、森雅子首相補佐官にLGBT理解増進担当を兼務させるなど、法案成立に前向きな姿勢を見せた。超党派の議連も自民党の岩屋毅元防衛相を新会長に起用し活動を再開。5月のサミットまでの法案成立を目指した。

 自民党も執行部が協議し、法案成立に向け党内議論を進めることを確認した。萩生田光一政調会長もテレビ番組で「党内のコンセンサスをしっかり得るために議論を進めたい」と発言。党政務調査会は性的マイノリティに関する特命委員会(高階恵美子委員長)に議論を委ねた。

 だが、その後、動きは停滞した。

 首相は3月23日…

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