「紙」「デジタル」の両輪、出版各社に課題 小学校教科書検定

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タブレット端末を使って作成した資料を基に、クラスメートに考えを発表する荒川区立汐入小学校の5年生=東京都荒川区で2023年3月16日午前11時25分、深津誠撮影
タブレット端末を使って作成した資料を基に、クラスメートに考えを発表する荒川区立汐入小学校の5年生=東京都荒川区で2023年3月16日午前11時25分、深津誠撮影

 2024年度から小学校で使われる教科書は、デジタル化へ大きくかじを切る内容となった。新型コロナウイルスの感染拡大でオンライン学習の実施を迫られた小中学校では、国の目標を2年前倒しして1人1台のデジタル端末の配備がほぼ実現した。各出版社は「紙の教科書」と「デジタル教材」の両輪で学校現場のニーズに応えようとするが、各社の経営体力を巡り新たな課題も浮かぶ。

タブレット不慣れな教員も「力量で差」

 「自分の考えがどうしたら伝わるかな」「イラストや統計を示すといいよ」。東京都荒川区の区立汐入(しおいり)小学校で3月中旬、5年生がタブレット端末を手に4人1組で机を囲んで話し合っていた。

 自分の話し言葉が相手に誤解されないように「事実」と「意見」を区別しながら伝える方法を考える――という国語の授業だ。子どもたちは、それぞれタブレット端末で作った資料を画面に映しながら考えを説明し、感想を伝え合った。

 小学校では、一昔前のように、子どもが板書する教員に向きながら、知識を吸収し続ける「講義型」の授業とは一変している。2020年度から小中高で順次実施された新学習指導要領で、思考力・判断力・表現力を育むために、対話や主体的に学ぶアクティブラーニング(AL)が重視されるようになったからだ。

 さらに新指導要領は社会のデジタル化を踏まえ、小学校から「プログラミング教育」を必修化。21年に始まった「大学入学共通テスト」では…

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