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部活クライシス

学校教育の一環とされてきた部活動。教員の長時間労働や少子化などを背景に、従来の活動が成り立たなくなりつつあります。

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「はしごを外された」 国主導の部活改革後退、子育て教員の苦悩

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公園で遊ぶ子供と手をつなぐ有子さん(手前)。職場復帰に不安を抱えながら新年度を迎える=関東地方で2023年2月7日、村上正撮影
公園で遊ぶ子供と手をつなぐ有子さん(手前)。職場復帰に不安を抱えながら新年度を迎える=関東地方で2023年2月7日、村上正撮影

 公立中学校の休日の部活動を地域の民間クラブなどに委ねる「地域移行」は、2023年度から3年間で集中的に実施される予定だった。ところが、文部科学省は昨年12月、この目標を後退させ、期間内の達成にはこだわらないとした。突然ともいえる方針転換で揺れる学校現場を描く。

「頼むから、早く負けてくれ」

 無邪気に遊ぶ2人の我が子とは対照的に、ここ数カ月間、有子さん(仮名)=30代=の心には何度もさざ波が立っていた。

 育児休業を経て、今春から関東地方の公立中学校へ職場復帰する。部活の地域移行で教員の負担が少しでも軽くなる。そう期待を寄せていたが、直前に「はしごを外された」と感じている。

 学ぶ楽しさを教えてくれた恩師に憧れ、自らも教壇に立つ夢を持った。だが、現実は違った。学生時代、スポーツとは縁遠かったが、知識や経験に乏しい競技の部活顧問を次から次へと…

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【部活クライシス】

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