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今年、中国を抜いて世界で最も人口が多い国となる見通しのインド。経済が発展していく中、家族のあり方も変わりつつある。さまざまな年代が集って暮らす伝統的な大家族から36歳で初めて離れ、妻や娘2人と新生活をスタートさせた毎日新聞ニューデリー支局助手のカリル・ハシミが報告する。
私は首都ニューデリー南部にあるシャヒーンバグという地域で育った。イスラム教徒が多い地域で、私たち自身もイスラム教徒だ。両親と弟とその妻子、自分の妻と2人の娘の合計10人で、5階建ての一軒家で暮らしてきた。私は伝統的なインドの大家族の信奉者で、自分の親やきょうだい、妻や子どもたちに愛情を注いで面倒をみる人々を尊敬してきた。私の周囲の同年代の男性たちもほとんどが同じ考えだった。
一方、この10年ほどで、何人かの友人たちが大家族との共同生活を離れ、自分の妻子とともに新しい生活を始めていった。「彼らは間違っている」と私はいつも考えていた。しかし、そんな私も昨夏、大家族から離れるという決断をしなければならなかった。それは簡単な決断ではなかった。人生の一つの旅の終わりと、新しい航海の始まりのようなものだった。
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