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人生で初めて実家を離れて引っ越した先は、広さ約55平方メートルの小さなアパートだった。大家族で暮らしていた実家の5分の1ほどで、戸棚も冷蔵庫もガスコンロも調理器具もない。まだ暑い夏の終わりだったにもかかわらず、扇風機もなかった。必要なものをどうやって手に入れるか、不安でいっぱいだった。一度にすべてを買いそろえるには、銀行口座にあまりお金がなかったからだ。
しかし、夕方になると、友人たちが訪ねてきてくれた。弁護士である友人の一人は、扇風機を購入し、天井に取り付けてくれた。他の友人たちも集まり、どうすれば家財道具を安く買えるかを議論し始めた。生活に必要なものは2日ですべてそろったが、友人たちが最初に代金を払ってくれて、後で私がお金を返したものもあった。私たちはこれまでも友達同士で互いに助け合ってきたが、彼らの助けをここまで必要としたのは初めてだった。
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