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第95回センバツ高校野球

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センバツ2023 準々決勝 広陵4強 打者一巡の猛攻 継投策も実る 専大松戸に9-2 /広島

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【専大松戸-広陵】二回裏広陵無死二、三塁、浜本の左前打で二塁から中尾が生還=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で、滝川大貴撮影
【専大松戸-広陵】二回裏広陵無死二、三塁、浜本の左前打で二塁から中尾が生還=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で、滝川大貴撮影

 第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第10日の29日、広陵は準々決勝で専大松戸(千葉)を9―2で破った。先制を許した直後に打者一巡の猛攻で圧倒し、今大会初先発の倉重聡(3年)、昨春のセンバツで登板経験のある岡山勇斗(3年)とつないで強さを見せた。4強入りは2010年以来13年ぶり。準決勝は第11日第1試合(31日午前11時)で山梨学院と戦う。【安徳祐、来住哲司】

 二回の集中打が際だった。反撃の先頭に立ったのは4番・小林隼翔(はやか)(3年)。初球のスライダーを振り抜いて左安打とした主将の一撃に、チームは勢いづいた。

 続く5番・只石貫太(2年)は内野安打で無死一、二塁。アルプス席の吹奏楽部が「サウスポー」を演奏し「みなと、みなと」の声援の中、6番・中尾湊(みなと)(3年)がバントすると、相手の失策を誘い、小林が還って同点に追いついた。中尾の父豪(つよし)さん(43)は「チームに貢献できてよかった。初戦は緊張した様子だったが、3回戦からは楽しんでいるように見える」と笑顔だった。

 7番・浜本遥大(はると)(2年)は甘く入った直球を逃さず左2点適時打で勝ち越し。甲子園に来てからの2試合は「積極的にいけなかった」といい「強く押し込んで打ててよかった」と振り返った。

 攻撃は続く。1死満塁で回ってきた2番・谷本颯太(そうた)(3年)は右適時打で2点を追加。観客席から「バンザイ」の声も湧いた。3回戦で3打数無安打だった3番・真鍋慧(けいた)(3年)は「悔しかったので絶対に打ってやろう」と直球を捉え、打球は中堅手を超えてフェンスを直撃した。三塁から田上夏衣(かい)(3年)が生還して6点目となった。

 投手も踏ん張った。倉重は七回2死まで投げて試合をつくり、交代した岡山は「糸を引くようなイメージの直球」を投げ込んで無失点で締めくくった。倉重の母めぐみさん(55)は「序盤は『大丈夫かな』と不安だったが、落ち着いてくれてよかった」と勝利にホッとした表情だった。

女子チーム奮起

アルプス席で応援する広陵の女子硬式野球部員=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で、安徳祐撮影 拡大
アルプス席で応援する広陵の女子硬式野球部員=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で、安徳祐撮影

 ○…アルプススタンドに陣取った広陵女子硬式野球部員25人。埼玉県で開催中の「女子のセンバツ」第24回全国高校女子硬式野球選抜大会に「男子とダブル優勝したい」と意気込んで出場したが、23日の1回戦で敗退した。悔し涙を流したという主将の原田京佳さん(16)は「男子には優勝してほしい」とエールを送った。坂田脩造監督は「甲子園で活躍する姿を見て『私たちもこうなりたい』と刺激を受けてほしい」と見守った。


 ■熱球

プレッシャー乗り越え成長 倉重聡投手(3年)

広陵の倉重聡投手(3年)=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で、中川祐一撮影 拡大
広陵の倉重聡投手(3年)=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で、中川祐一撮影

 直球にスライダーやチェンジアップを織り交ぜる左の技巧派。序盤は変化球が不調で、直球も高めに浮きがちだった。甲子園のマウンドに「興奮してしまった」。二回に先制を許し、なおも1死満塁。ピンチにあの日の記憶がよみがえる。

 昨夏の広島大会3回戦。公式戦初登板・初先発で緊張し、球が浮いた。2失点で二回途中に降板した。先輩たちの夏を終わらせてしまい「悔しさより、申し訳なさがあった」。

 打たれたらどうしようと思う心を振り払い「絶対に抑える」と切り替え、後続を三振と外野フライに打ち取った。

 その裏の攻撃は打線に火が付き逆転。大量リードをもらい、三回以降は肩の力が抜けて変化球も安定した。「次は最初から素晴らしいピッチングをしたい」。プレッシャーを乗り越えてリズムをつかみ、成長の一歩を刻んだ。

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