「球速以上」の直球でグイグイ　“ボンズ”封じた山梨学院・林　センバツ

センバツ高校野球第11日（31日）準決勝　○山梨学院6―1広陵（広島）●

　球速は140キロに満たない。しかし、山梨学院の右腕・林謙吾は、広陵打線を切れのある直球で1点に抑えた。「直球が球速以上にきていて仕留められない」。無安打だった大会屈指の強打者・真鍋慧（けいた）の敗戦の弁が、そのすごさを表していた。

　林は一回1死三塁のピンチで真鍋との第1打席を迎えたが、ストライクが一つも入らない。「抑えたい思いが強すぎて力んだ」。ここまで与四死球2と制球力に優れていただけに珍しかった。ただ、この回に先取点を許したことで我に返った。「全員がワンランク上の打者だと思って、逆に自分（の気持ち）を制御できた」。エースにギアが入った。

　圧巻は三回、1死一、三塁の危機で真鍋の第2打席を迎えた。…