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「母に頂点を見せたい」。広陵(広島)の小林隼翔(はやか)主将(3年)は、女手一つで育ててくれた母優(ゆう)さん(44)への感謝を胸に、甲子園のグラウンドに立ち続けた。第95回記念選抜高校野球大会は31日、準決勝を迎えた。
小林主将は小学3年の頃に地元の岡山県倉敷市のクラブで野球を始め、すぐに「6年生のチームに入って試合をしたい」と、公園で壁当て練習に励んだ。パン店で朝の5時ごろから働いていた優さんは夕方に仕事を終えると、グラブをはめてキャッチボールをしたりバットを振ってノックしたりして付き合った。小林主将は「疲れていたはず」と振り返る。
中学時代、小林主将が家を出て屈指の強豪、広陵に進学すると決意した時、優さんは「後悔なく進んでほしい」と快く送り出した。以来、週に2、3回は電話で話す。小林主将から「苦しいこともあるけど広陵に来てよかった」と聞いた時はうれしかったという。
優さんによると小林主将は「自分が何かに一生懸命取り組む姿を見せるタイプ」。甲子園で制覇を目指す大所帯の先頭にどう立てばいいのか悩んでいた時、優さんは「隼翔のスタイルでいい」とアドバイスした。だから走り込みでは先頭に立って背中で仲間を引っ張る。
チームメートの松本朱央(すおう)選手(3年)は「(下級生の頃から)ミーティングで3年生に積極的に意見を出していた。主将になると思った」と話す。前の代の主将だった川瀬虎太朗さん(18)は「すごく練習するし、とにかく真面目だった」と人柄をたたえる。
この日、山梨学院とぶつかった広陵。4番の小林主将が一回に犠飛を放って先制したが、以降は自慢の強力打線がつながらず、敗れた。アルプス席の優さんは「楽しそうな表情でプレーしてくれてよかった。堂々としてきた」と誇らしげに息子を見つめた。
試合後、小林主将は「母は『優勝したいならもっと頑張りなさい』と言うだろう。また頑張って(夏の甲子園で)優勝したい」と、明日を見据えた。【安徳祐】
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