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第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第11日の31日、広陵は準決勝で山梨学院と対戦し、1―6で敗れた。初回に先制し、その後何度も得点圏に走者を進めたもののあと一本が出ず、最終回に連打を浴びて力尽きた。優勝した2003年以来の決勝進出は果たせなかったが、全力を尽くした選手たちにアルプススタンドから大きな拍手が送られた。【安徳祐、野原寛史】
選手も応援団も5点差を諦めてはいなかった。九回裏、アルプス席で「ここから」「終わってない」の声に続き「こーりょう、こーりょう」と広陵コールが湧き上がった。
2死から、1番・田上夏衣(かい)(3年)が高めの直球をたたいて中前打。相手投手の暴投で進塁した。「一つでも先を狙って、1点ずつ取ろう」と本塁を見つめた。
応援席のマネジャーの梅山美声(みいこ)さん(2年)は「何とか還ってきてほしい」と涙を浮かべながら願ったが、内野ゴロでゲームセット。広陵の春の戦いは終わった。
立ち上がりは順調だった。一回、先頭の田上が右二塁打で出塁すると、2番・谷本颯太(そうた)(3年)がバントで送り、3番・真鍋慧(けいた)(3年)が四球を選んで1死一、三塁。4番・小林隼翔(はやか)(3年)の右犠飛で田上が還り、堅実な攻めで先制した。
準々決勝に続いて先発した高尾響(2年)は踏ん張った。六回まで連打を許さず、奪った三振は計6個。センバツ開幕直前にけがでメンバーを外れた横川倖(3年)は「自分が出れない分まで(高尾には)全力を出してほしい」と声を枯らして声援を送った。
好守もあった。七回2死二塁のピンチ。中前打で本塁を突いた走者を、田上が好返球で刺して点を与えなかった。
毎回安打の計10本を放ち打線は好調。得点圏に何度も走者が進んだものの、連打が出ず点に結びつかなかった。
15日に広島を出発してから、宿舎でメンバーとともに過ごしてきたマネジャーの舛田心優(みゆ)さん(3年)は「雰囲気は良く、調子があがっていた」と振り返る。
この日を最後に定年退職となる國貞和彦校長は「残念だけど、一生懸命頑張った。明日から広陵を離れるが、これからも応援し続けたい」とねぎらった。
3月に卒業したばかりの野球部OB約10人も声を枯らして応援した。木村一翔(いっと)さん(18)は「自分も頑張ろうと思える試合だった。後輩たちは自信をもってプレーして、夏こそ日本一を目指して」とエールを送った。
■熱球
エースと必ず帰ってくる 只石貫太捕手(2年)
強気のリードで引っ張ってきた2年の正捕手。中軸を打ち、攻守両面でチームの中心選手の一人として活躍してきたが、20年ぶりの優勝という夢には届かなかった。
同じ2年のエース、高尾響とは入学当初から寮で同室。練習後、部屋に戻ってからも投球の反省点を振り返ったり、相手選手を分析したりと、二人で歩んできた。
序盤の高尾は好調で「直球が低めに決まっていた」。だが100球を超え、次第に球威が落ちてきた。九回は球が浮くようになり「スライダーを投げさせてかわそうとした」が相手4番に打たれて逆転を許した。「内角を攻めればよかった」と自分を責め、「(エースの)高尾が打たれたらしょうがない」と相棒をかばった。
長打力をつけようと、冬の間は黙々と筋トレを続けた努力家。ベンチプレスは87キロまで持ち上げられるようになった。
「夏にもう一度、甲子園に帰ってきて日本一を取りたい。高尾と一緒に」。試合直後の悔しそうな表情は消え、引き締まったいつもの顔に戻っていた。
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