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甲子園のアルプス席。えんじ色のメガホンで誰よりも大きな声援を送る応援団長は、同時に、グラウンドのチームメートの一挙手一投足に目を凝らした。第95回記念選抜高校野球大会で3月31日あった準決勝で敗れた大阪桐蔭の野球部員、佐藤友泰(ともやす)さん(3年)だ。
佐藤さんは岡山県津山市出身。父は元高校球児、母はソフトボール経験者で、小学2年生で野球を始めた。恥ずかしがり屋だったが、守りの要の捕手になったのをきっかけに大きな声を出せるようになった。
高校野球界の名門、大阪桐蔭に進んだ1年の夏、右膝の半月板損傷で手術を受けた。2カ月のリハビリを経て練習に復帰したが、走り込みなど膝に負荷のかかる練習を思うようにできず、センバツのベンチ入りはかなわなかった。一方、「誰よりも声が出ている」と中村誠コーチから応援団長に指名された。
甲子園での試合中、ブラスバンド演奏に合わせて「ゴーゴーTOIN」「かっとばせ」と声を張り上げるだけでなく、佐藤さんにはもう一つ仕事がある。能代松陽(秋田)の好投手から2安打しかできず、1―0でからくも逃げ切った28日の3回戦。佐藤さんは夜、宿舎で佐藤夢樹(むつき)選手(3年)に「いっこ(ワンテンポ)、余裕がない」と伝えた。打撃で間(ま)が取れていないと見抜いたのだ。
その佐藤選手は翌29日の東海大菅生(東京)戦、間を意識して中越えの豪快な本塁打を放ち、チームを勢いづけた。試合後、佐藤選手は「友泰のアドバイスがホームランにつながった」と感謝した。佐藤さんは他の選手にも気づいた点を指摘し続けた。
昨春に続くセンバツ連覇に届かなかった31日。佐藤さんは悔しさをにじませながら相手の報徳学園(兵庫)の校歌を耳にした。「夏に借りを返しに来る」。磨いた観察眼を生かして自らを鍛え、夏こそ聖地のグラウンドに立とうと心に決めた。【戸田紗友莉】
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