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第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)に出場した龍谷大平安は第9日の3回戦(3月28日)で昨夏の覇者、仙台育英(宮城)に敗れた。昨秋から取材を続けた、今回のチームのこれまでの戦いを振り返ってみたい。【矢倉健次】
課題は走塁での意識共有
一言で表現すれば「よく頑張った」。月並みなフレーズだが、それが一番しっくり来る。
昨秋の府大会準決勝で、京都国際に4―14で八回コールド負け。3位決定戦も延長の末、やっとの思いで鳥羽を降した。この時点では投手力が安定せず、和歌山県で開かれる近畿地区大会では厳しい戦いが予想された。
しかし、近畿大会までの3週間で桑江駿成(3年)―松浦玄士(3年)のバッテリーが、川口知哉コーチの指導もあって急成長する。最速130キロほどだが、元々多彩な球種と高い制球力を持つ桑江が、試合の状況や打者の様子を見て配球できるようになった。
近畿大会で連続完封して4強入りし、センバツへの切符を引き寄せた。一冬越して臨んだ3月21日、甲子園での初戦(2回戦)。長崎日大(長崎)を相手に、チームは3点を失ったが、桑江は7回を投げて自責点1。間違いなく、全国の16強まではい上がった原動力となった。
だが、近畿大会準決勝で敗れた大阪桐蔭(大阪)や、仙台育英のような全国トップレベルのチームを完璧に抑えるのは難しい。急務とされた2番手投手として頭角を現したのが、速球派の岩井聖(3年)だ。リリーフした初戦は2回無失点で、甲子園のスコアボードには最速147キロと表示され、スタンドがどよめいた。夏に向けて制球の安定が課題になるだろう。
打線は、近畿大会1回戦で海南(和歌山)から17点を奪って五回コールド勝ちするなど、個人の技量はかなり高い。センバツの長崎日大戦でも代打の石丸晟智(3年)、松井駿汰(3年)を含む5連打が出て一気に逆転した。しかし仙台育英戦では九回に3番・山口翔梧主将(3年)のソロ本塁打、4番・山下慶士(3年)が安打と気を吐いたものの、七回まで二塁すら踏めない状況が続いた。
山口主将は「仙台育英は初球から盗塁を仕掛けるなど、自分たちの発想にない姿勢で常に次の塁を狙って試合を動かしてきた」と力の差を認めた。連打を待つだけでなく走塁面でも技量を高め、チームとして意識を共有することが、レベルアップに向けてのカギとなる。
9日には春季府大会が始まり、夏の甲子園を懸けた京都大会が7月にある。まずはセンバツを経験した龍谷大平安が軸になるが、近畿大会で十分に力を発揮できなかった乙訓、京都国際などが虎視眈々(たんたん)と「打倒平安」を狙う。切磋琢磨(せっさたくま)を重ねた好勝負に期待したい。
〔京都版〕
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