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習近平の中国

習近平体制は党大会を経て3期目が始動。権力集中が加速する異例の長期政権は、どこに向かうのでしょうか。

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中国、EUに積極外交 加盟国内の温度差突き、米欧連携にくさび

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会談で笑顔を見せるスペインのサンチェス首相(左)と中国の習近平国家主席=北京で2023年3月31日、Moncloa Palace提供・ロイター
会談で笑顔を見せるスペインのサンチェス首相(左)と中国の習近平国家主席=北京で2023年3月31日、Moncloa Palace提供・ロイター

 中国が欧州連合(EU)各国に積極的な外交攻勢を展開している。今月5日からはフランスのマクロン大統領とEUのフォンデアライエン欧州委員長を北京に招く。EU側はウクライナ情勢では米国と歩調を合わせつつも、対中政策では米国と温度差があり、特に経済面で中国を重視する国は少なくない。中国としては、米欧の連携にくさびを打ち込む狙いがある。

 「スペインとの国交樹立50周年を新たな出発点として、両国の互恵協力をさらに強化していきたい」。中国の習近平国家主席は3月31日、北京の人民大会堂でスペインのサンチェス首相と会談し、こう呼びかけた。サンチェス氏は「相互の信頼関係を強化し、協力を深めたい」と応じた。

 習氏が2022年10月に中国共産党トップの総書記3期目入りを果たして以降、ドイツのショルツ首相やEUのミシェル欧州理事会常任議長(EU大統領)を北京に招いてきた。

 EUは中国と経済面で結びつきが強く、トランプ前米政権時代、米中対立とは距離を置いた。だが、21年にバイデン政権が発足して以降は米国と歩調を合わせ、人権問題などを巡り対中批判を強めてきた。それでもEU各国首脳の訪中が相次ぐ背景には、対中圧力を強める米国とは異なるスタンスを取っていることもある。フランスなどには欧州独自の外交で中国に影響力を与えようとする考えも根強い。

 これに対し、中国としては、…

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