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第72期王将戦

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「豊島九段のすごさ分かった」 羽生善治九段が振り返る王将戦/上

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将棋の「聖地」とされる鳩森八幡神社将棋堂の前で穏やかな笑顔を見せる羽生善治九段=東京都渋谷区で2023年3月22日、丸山博撮影
将棋の「聖地」とされる鳩森八幡神社将棋堂の前で穏やかな笑顔を見せる羽生善治九段=東京都渋谷区で2023年3月22日、丸山博撮影

 今年1~3月の第72期ALSOK杯王将戦七番勝負で藤井聡太王将(20)に挑戦した羽生善治九段(52)が毎日新聞の取材に応じ、七番勝負に向けてどのような準備を整えたのかを語った。王将戦七番勝負では、豊島将之九段(32)が過去に指した対局をベースにした作戦が多かったが、「王将戦でどういう手でいこうかとあれこれ考えて突き詰めると、豊島さんの指した将棋と重なることが多かった」といい、挑戦を通じて「改めて豊島さんの分析の深さ、すごさが分かった」と振り返った。【丸山進】

 敗れても「ちょっと前進」 羽生善治九段が振り返る王将戦/中
 「またひのき舞台に立ちたい」 羽生善治九段が振り返る王将戦/下

可能性感じる戦型や局面掘り下げた

 ――普段の研究でAI(人工知能)をどう活用していますか。

 羽生九段 序盤であろうと中、終盤であろうと、この局面でこの手はどうなのかなと疑問が湧くところをソフトで調べてみるのが基本です。そこで、それなりに答えが出ればそれで終わりですし、深掘りしようかと思えばそこから考えます。自分が指した将棋にも他の人が指した将棋にも必ず疑問の残る点があるので、そこを調べています。

 ――「答えが出る」とは?

 ◆AIが「この手が一番正しい」と言い、自分もそう思えたら終了で、それ以上は調べません。「自分はこう思っているけどAIの評価は違う」ということは多々あるので、そういうケースの場合は「保留」。また考えます。

 ――王将戦七番勝負では、豊島九段が過去にいろいろな対局で指した将棋をベースにした作戦が多くありましたが、豊島九段を特に意識したことはあったのでしょうか。

 ◆それは本当に偶然の一致で、自分なりに分析を重ねている中で、気付いたら豊島さんが指している将棋と重なることが多かったので、ちょっと驚いているところもありました。作戦面でも豊島さんの研究の深さは分かりました。王将戦でどういう手でいこうかとあれこれ考えていろいろ突き詰めると、豊島さんの指した将棋とぶつかったケースが結構多かったです。やっぱり分析が深いのだと思います。豊島さんはこの手はダメと…

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【第72期王将戦】

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