バイデン氏、米大統領選出馬表明　識者に聞く舞台裏

　米国のジョー・バイデン大統領（80）＝民主党＝は25日、2024年大統領選での再選を目指して、出馬を正式表明した。高齢への不安はあるが、現時点で民主党に有力な対抗馬は見当たらず、現職の強みを生かして党候補指名争いを優位に進める公算が大きい。共和党候補指名レースではドナルド・トランプ前大統領（76）が世論調査でトップを走っており、本選はバイデン氏とトランプ氏による20年大統領選の「再戦」になる可能性もある。

　バイデン大統領出馬表明の影響と展望を識者に聞いた。

懸念は民主党内左派の造反

渡辺将人氏（北海道大学大学院准教授）

　バイデン大統領周辺は出馬賛成派と反対派で割れていた。反対派は高齢のリスク重視だ。デサンティス南部フロリダ州知事など共和党内での若手の台頭や、ペロシ下院議長（民主党）の交代を受け、民主党の世代交代を訴えた。だが期待をかけていたハリス副大統領が移民政策で指導力を発揮できず、バイデン氏は1期途中で禅譲する腹案を撤回。共和党もハリス氏昇格は国益に反するとして、バイデン氏に対する大統領弾劾をちゅうちょしている。ウクライナと台湾の危機深化から経験豊富なバイデン氏続投が望まれたといえる。

　だが、民主党が中間選挙で大敗を免れたのは、…