パーキンソン病患者に卓球を 審判も動かした「ルールより人間」

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「卓球の日」にオリンピアンらとの交流を楽しんだパーキンソン病患者の加藤百合枝さん(中列左から5人目。同3人目が2000年シドニー五輪代表の小西杏さん)=東京都杉並区で2023年4月23日午後4時13分、田原和宏撮影
「卓球の日」にオリンピアンらとの交流を楽しんだパーキンソン病患者の加藤百合枝さん(中列左から5人目。同3人目が2000年シドニー五輪代表の小西杏さん)=東京都杉並区で2023年4月23日午後4時13分、田原和宏撮影

 卓球との出合いが、新たな人生の扉を開いた。

 国際卓球連盟(ITTF)が今年から「卓球の日」とした4月23日。東京都杉並区の「バタフライ卓球道場」には、力強い打球の音が響き渡った。オリンピアン(五輪選手)らに負けじと打ち合っていたのは、パーキンソン病患者たちだ。

「病気でも頑張れば強くなれる」「病気から自由になれる感覚がある」

 聞こえてきたのは、そんな前向きな言葉だった。

突然の「ノー」 抗議したのは……

 卓球を通じてパーキンソン病患者の支援に取り組むNPO法人「日本ピンポン・パーキンソン」の協力を得て、日本卓球協会がこの日の交流を企画した。

 パーキンソン病は手足の震えや体のこわばりが起きる難病で、脳内伝達物質(ドーパミン)の減少によって起きる。治療法は確立されておらず、薬物による対症療法が主だが、卓球は症状改善に有効とされる。

 パーキンソン病研究の第一人者と言われる、順天堂大大学院医学研究科長の服部信孝さんは、卓球はリハビリとして効果が期待できるとした上で、こう語る。

 「卓球すること自体が…

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