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宗教を理由に、親が子どもへの医療を拒むケースが後を絶ちません。中でも、キリスト教系新宗教「エホバの証人」は輸血拒否の教義で知られ、信仰の自由と救命を巡り、議論を呼んできました。医療現場はどう向き合ってきたのか、そして子どもの思いは。当事者に話を聞きます。(2回目/全3回)
輸血拒否を語る②生駒市立病院長、遠藤清さん
エホバの証人の無輸血手術に初めて関わったのは30年ぐらい前です。50代の乳がんの女性でした。輸血拒否を主張したため、複数の病院で手術を断られたそうです。私が「いいですよ」と引き受けると、ほっとして帰って行きました。しかし、その患者は貧血が重く、血液検査で血中ヘモグロビンの値が通常の半分以下しかないことが分かりました。
当時、乳がんの手術はかなりの出血を伴いました。今は手術前にヘモグロビン量を上げる処置などがありますが、当時は一般的ではありませんでした。輸血できないのは危険です。しかし、「やる」と言ってしまった以上、仕方がありません。手術は無事終わり、輸血もしませんでした。
求められる出血コントロール
膵頭(すいとう)十二指腸切除という腹部外科の中でも難易度が高い手術の時は緊張しました。無輸血を希望する患者とは一つだけ約束します。出血がひ…
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