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部活クライシス

学校教育の一環とされてきた部活動。教員の長時間労働や少子化などを背景に、従来の活動が成り立たなくなりつつあります。

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部活・地域移行

県内の模索/上 県と上尾市教委がモデル事業 外部コーチ、費用面に課題 家庭負担には抵抗感 /埼玉

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埼玉上尾メディックスの石原昭久さん(右から2人目)の指導を受ける男子バレーボール部員=埼玉県上尾市の市立原市中学校で
埼玉上尾メディックスの石原昭久さん(右から2人目)の指導を受ける男子バレーボール部員=埼玉県上尾市の市立原市中学校で

 公立中学校での休日の部活動の指導を地域へ委ねる「地域移行」に向けた取り組みが模索されている。地域移行は「教員の働き方改革」を掲げた文部科学省が主導する。だが、多様な部活動を地域で担う「受け皿」は整わず、指導者不足や家庭の費用負担の大きさなどの課題が山積する。県内の実情を探った。【岡礼子】

 「いいトスくださいじゃない。自分が動いていいトスにするんだ」。3月、上尾市立原市中学校の体育館で、バレーボールVリーグ女子「埼玉上尾メディックス」所属のスカウト、石原昭久さんの声が響いた。石原さんはVリーグの監督として優勝経験もある。同中の男子バレーボール部員らは真剣な顔つきで指導を聞き、スパイクを打ち込んだ。

 県と上尾市教育委員会は1~3月、メディックスとモデル事業を実施。石原さんは土曜と日曜に7回程度、男子バレーボール部のコーチをした。部員は25人(当時)で、顧問は2人。顧問の副島朝音教諭は選手として競技経験があるが、もう1人の顧問はバレーボール未経験という。副島教諭は「ボールを最後まで追う姿が見られるようになり、生徒の姿勢が変わった。すごいコーチだというフィルターも効いたと思う」。

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