連載

記者の目

最前線の記者がそれぞれの取材テーマを論じます。1976年にスタートした毎日新聞を代表するコーナー。

連載一覧

記者の目

予期しない妊娠 孤立の先に、命への願い=宇多川はるか(くらし科学環境部)

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
病院でもらった赤ちゃんの足形を、ユキさんは大事にしていた=茨城県内で3月13日、宇多川はるか撮影
病院でもらった赤ちゃんの足形を、ユキさんは大事にしていた=茨城県内で3月13日、宇多川はるか撮影

 誰にも頼れず一人で出産する「孤立出産」の寸前で、SOSを出す。そして、おなかを痛めた子を「幸せになって」と祈りながら、養親のもとへと託す。国際女性デー(3月8日)に合わせた連載「産む、産まない、産めない~私の場合」の取材で出会ったのは、そんな女性たちだった。「望まない妊娠」「予期せぬ妊娠」――言葉にしてみたら、何とも簡単な気もする。でも、一人一人に、本人にとってはどうしようもできない事情と、新たな命への切なる願いがあった。

 3月中旬、特別養子縁組を仲介するNPO法人「Babyぽけっと」(茨城県)の事務所を訪れると、ベッドの上に、生後間もない赤ちゃんが眠っていた。包まれたおくるみからのぞく顔は、私の手にすっぽり収まるほど小さい。事務所にはこうして、入れ代わり立ち代わり、養親のもとへ旅立つ前の赤ちゃんが一時滞在している。

この記事は有料記事です。

残り1492文字(全文1856文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る
この記事の筆者
すべて見る

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月

ニュース特集