自傷、適合手術、副作用… トランスジェンダーが性を変えるまで
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23歳の時、女性から男性に性別変更するため卵巣を摘出した。生殖機能を無くさなければ性別変更を認めないと性同一性障害特例法が定めているためだ。それから約10年。「あの時、手術をすべきだったのだろうか」と後悔が消えない。出生時の戸籍の性と自認する性が一致しないことに苦しんできた一人のトランスジェンダーの体験から、現行法の問題点を考えた。
「偽物の体」を傷つけて
「セーラー服や赤の上履きは、女の子の着ぐるみを着させられているような違和感があった」。現在は男性として生きる看護師の浅沼智也さん(34)=東京都=は中学時代をこう振り返る。膨らんでくる胸にはガムテープを張り、「偽物の体はどこまで傷つければ痛みを感じるだろう」と自傷行為を繰り返した。
高校生になり、学校の養護教諭から、生まれつきの性と自認する性が一致しない性同一性障害(GID)のことを教えられた。「自分だけではなかった」とほっとした。
18歳で専門医から正式な診断を受け、その後、男性ホルモンを投与する治療を始めた。体は筋肉質となり、声は低くなった。20歳で乳房を切除する手術を受けた。全身麻酔から目覚めると胸の膨らみは消えていた。「ようやく本来の自分の体になれた」と声を上げて泣いた。名前は「智子」から「智也」に改めた。
短大の看護専攻を卒業し、21歳で病院に就職。男性として働くことが認められ、同期の女性に恋をした。…
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