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平安時代の船遊びを再現する車折(くるまざき)神社(京都市右京区)の三船祭が21日、嵐山を流れる大堰(おおい)川で4年ぶりに営まれた。渡月橋近くに浮かべた船上から舞と雅楽が奉納され、俳優の観月ありささん(46)が「扇流し」を披露。多くの観客がみやびな雰囲気を堪能した。
祭りは宇多上皇が大堰川で船遊びをした故事にちなむ。1928年から車折神社の神事として再現されてきたが、新型コロナウイルスの影響で2019年を最後に中断していた。
車折神社は境内の末社に、芸能の神を祭る「芸能神社」がある。コロナ禍で中止を余儀なくされた文化活動の復興を目指す「車折神社芸能文化振興会」が4月、地元関係者らにより結成され、長年参拝を続ける観月さんが総裁に就任。振興会の主催で祭りが復活した。
岸での神事の後、小舟4艘(そう)が水上をゆったりと行き来し、祭神を乗せた御座(ござ)船から着物姿の観月さんが扇を次々と川に流す姿に、大勢の観光客が見入っていた。祭りに初参加した観月さんは「コロナ禍で私も含め多くの人の行動が制限されていた。平穏な日常が戻る中、歴史あるこの祭りが何百年も続いてほしい」と話した。【鈴木健太郎】