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第81期名人戦

第81期名人戦七番勝負は、初挑戦の藤井聡太王将が渡辺明名人を破り、4勝1敗で名人位を奪取。最年少名人獲得記録を更新、史上2人目の7冠を達成した。

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渡辺明、中盤に意外な手を指すも…「どんどん悪い方向に」 名人戦

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第81期名人戦七番勝負第4局で投了し、挑戦者の藤井聡太王将に一礼した渡辺明名人=福岡県飯塚市の「麻生大浦荘」で2023年5月22日午後4時45分、岩下幸一郎撮影 拡大
第81期名人戦七番勝負第4局で投了し、挑戦者の藤井聡太王将に一礼した渡辺明名人=福岡県飯塚市の「麻生大浦荘」で2023年5月22日午後4時45分、岩下幸一郎撮影

 福岡県飯塚市の麻生大浦荘で21日から繰り広げられた第81期名人戦七番勝負の第4局(毎日新聞社、朝日新聞社主催)は22日、渡辺明名人(39)が挑戦者の藤井聡太王将(20)に敗れて対戦成績が1勝3敗となり、後がなくなった。終局後、渡辺名人は先攻したのは予定通りだったものの「攻め方がおかしかった気がする。どんどん悪い方向にいってしまった感じですね」と短手数での敗戦に首をかしげた。【丸山進】

 終局後に渡辺名人が報道陣に語った主な内容は以下の通り。

「攻めていこうとは思っていた」

 ――序盤の方針はどう立てていたか。

 ◆先手の構えもいろいろあるので決め打ちできていたわけではないですが、あの局面になったら攻めていこうかなとは何となく思っていました。その後の攻め方がおかしかった気がします。

第81期名人戦七番勝負第4局2日目、昼食後に午後の対局に臨む渡辺明名人(右)と挑戦者の藤井聡太王将=福岡県飯塚市の麻生大浦荘で2023年5月22日午後1時1分、吉田航太撮影 拡大
第81期名人戦七番勝負第4局2日目、昼食後に午後の対局に臨む渡辺明名人(右)と挑戦者の藤井聡太王将=福岡県飯塚市の麻生大浦荘で2023年5月22日午後1時1分、吉田航太撮影

 ――1日目の▲2六飛(27手目)の場面は。

 ◆手が広いのでどれもあるという感じですが、攻め出してからの攻め手順がおかしかったですかね。△8八歩(38手目)とか△8六角(44手目)とか、どこまでさかのぼればいいか今の段階では分かっていないですけど。

 ――その△8八歩に57分考えたが。

 ◆△8八歩のところはこうやるところかなと思ったんですけど、△6五桂▲8八銀の後が思ったよりいい攻めがなかったです。

 ――80分考えた△8六角に、控室では意外だという声も上がった。

 ◆△9六香と迷ってはいたんですけど、どっちもいまいちに思っていて。選択としてどんどん悪い方向にいってしまった感じですね。

 ――居玉で7一の銀も参加しない大胆な構想だったが。

 ◆作戦の範ちゅうではあったんですけど、難しい将棋にしてしまったので、その辺りも含めてどうだったかなというところはありますね。

第81期名人戦七番勝負第4局2日目、盤を見つめる渡辺明名人=福岡県飯塚市の麻生大浦荘で2023年5月22日午後1時、徳野仁子撮影 拡大
第81期名人戦七番勝負第4局2日目、盤を見つめる渡辺明名人=福岡県飯塚市の麻生大浦荘で2023年5月22日午後1時、徳野仁子撮影

 ――苦戦を意識したのは。

 ◆昼休憩の時に手が出なくなっているので、その辺りで困った感じはありましたね。

いい将棋指したい

 ――名人4連覇のためには残り3連勝が必要になった。第5局の抱負を。

 ◆今日は早い時間になってしまってすぐにダメにしてしまったので、もうちょっといい将棋を指さないといけないですね。

【第81期名人戦】

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